Kyoko Shimbun 2006.03.21 News

東京が優勝 全国高校生帰宅選手権 これは嘘ニュースです

 全国の高校帰宅部が自宅に帰るまでの時間を競う第83回全国高校生帰宅選手権が21日、埼玉県のさいたまスタジアムで行われ、約60キロ離れた自宅に帰り着いた東京代表の石原光一(17)が優勝した。

 今大会では、昨年の大阪大会で優勝した大阪代表が「会場が自宅から遠すぎる」と抗議、棄権するなど試合前から波乱の様相を呈していた。

 最有力と目されたのは、開催地・埼玉代表の佐藤太郎(18)。昨年は新幹線を利用しながらも、誤って下り方面に乗ってしまい、最北端の北海道代表にさえ敗れる総合46位の失態を演じたが、「今年は会場に来るルートを逆にたどればいいだけだから大丈夫」と自信をうかがわせた。

 開始と同時に飛び出したのは遠隔地の沖縄・具志堅。スタート早々シャトルバスに乗って成田国際空港へ向かった。注目の埼玉・佐藤は、帰り道にコンビニでおにぎりを買い食い。さらに駅の売店でスポーツ新聞を買って読みふけるなど、余裕の帰宅態度を見せながら切符を購入。推定帰宅時間40分という抜群の地理的優位を見せつけた。

 大会開始40分。すでに佐藤の帰宅予定時刻に達していたが、佐藤は途中立ち寄ったゲームセンターでクレーンゲームに熱中。交通費を全て使い果たし、残り20キロを歩いて帰ることになった。

 ここで一気にトップに立ったのが東京・石原。帰宅歴12年の経験を生かして独走態勢に入ると、難関と思われた山手線~東京メトロ乗り継ぎも難なくこなし、無事帰宅した。帰宅時間1時間2分46秒は大会史上2番目に早い記録。

 2位には千葉・佐倉、3位には茨城・土浦がそれぞれ自己最高記録で帰宅した。佐藤は途中駅前で自転車を窃盗したため失格。最下位はヒッチハイクで県入りを果たそうとして、最後までスタジアムから出られなかった滋賀だった。

【用語解説】:「帰宅部」
 全国の中学校・高等学校に存在する帰宅技術を会得するための部。文科省の統計によると、全国の中高生人口の約20%が在籍している。所属理由は「他の部活に興味がないから」という消極的なものから、「全国トップレベルの帰宅技術を身につけたい」という積極的なものまで幅広い。

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