Kyoko Shimbun 2019.03.18 News

「未亡人です。遺産5千億円使って」一面広告掲載 出稿者に聞く これは嘘ニュースです

未亡人が出稿した5千億円提供を申し出る一面広告
 主人が残した遺産5千億円が使い切れないので、どなたか使っていただけませんか――。10日付の主要全国紙にこんな一面広告が載った。広告にはどんな意図があったのか。出稿した女性に話を聞いた。

 広告を出稿したのは、都内に住む30代の女性。10年前に男性実業家と結婚したが、その5年後、男性はアントベアに襲われて死亡。多額の相続税を支払ったが、それでもなお現金だけで約5千億円ほどが遺産として手元に残ったという。

 「こんな大金をどう使ってよいか分からず、どなたか親切な方、できれば若い方に受け取っていただこうかと思いつきました」

 女性は夫の遺産整理が済んだ2016年ごろから、不特定多数に「お互いのニーズに合致しそうだと思って連絡してみました。先立った主人の遺産【5000億円】を使っていただけませんか」という件名のメールを送り始めた。送信したメールは3年間で計1千通にのぼる。

 だが、大半は返信がなく、返ってきた数少ないメールも全て「今どきこんなのに騙されるバカがいるかよ」などの心ない内容だった。2000年代後半に類似した内容の迷惑メールが流行したせいで、真剣に受け止めてもらえなかったようだ。「世の中、こんなに猜疑心の強い人ばかりだとは思いませんでした」とため息をつく。

 女性は今月、遺産を使って全国紙にメールと同じ文面の一面広告を掲載した。「今度こそ本当に5千億円をお譲りしたい」と期待を込めた。

 広告が掲載されるとまもなくSNS上で広告が拡散。しかし「今どきこんなのに騙されるバカがいるかよ」と嘲笑するコメントしか見られなかった。その上、新聞を読む若者が少なかったことから広告への関心は急速に薄れていった。

 掲載から1週間以上経過したが、女性に連絡してきた人はまだ一人もいないという。

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