Kyoko Shimbun 2016.11.07 News

悪質フィギュア業者の実態 被害者は語る これは嘘ニュースです

綾波レイのフィギュア(写真は10分の1スケール)
 漫画やアニメのキャラクターのフィギュアをめぐる売買トラブルについて消費者センターへの相談件数が増加している。その多くはネットオークションや通販サイトに関するもので「写真と実物が違う」という内容が多いという。被害に遭った男性(26)に話を聞いた。

 男性は昨年7月、中古玩具販売サイト「セカンドハンド」でアニメ「エヴァンゲリオン」の綾波レイフィギュア(16分の1)を2万8千円で注文した。1週間後、男性宅に届いたのはフィギュアの二の腕部分だけだった。

 「最初は組み立て式だと思って他のパーツを待っていたのですが、いつになっても届かない。問い合わせたら『残り16分の15は別料金だ』と言うんです」

 男性は業者に返金を要求。当初業者側は「商品名に誤りはない」と支払いを拒否したが、消費者センターに通報すると伝えると態度を一変。謝罪のメールとともに同額で綾波レイフィギュア(8分の1)を提供すると申し出があった。

 「真摯な文面だったのですっかり信じてしまいました」

 2週間後、男性が受け取ったのは謝罪文とフィギュアの左腕だった。前回より腕は伸びたが今回も残る8分の7は別料金だという。

 男性は再度業者に抗議し返金を要求。「代わりの品もいらない」と怒りを伝えたが「同額で原寸フィギュアを送る」と説明があったため、受け取ることにした。

 「原寸フィギュアは正価で買えば100万円は下らない。都合が良すぎて怪しいなと疑いましたが、まさか3度目はないだろうと甘く考えていました」

 2週間後、男性のもとにクール便でよく冷えた謝罪文とフィギュアの原寸大左腕が届けられた。

 「箱の中からひんやりした腕が出てきたときは本物かと思って、補完計画中のシンジ君みたいな大声で叫んでしまいました。わざわざ原寸フィギュアの左腕だけ切断して送って来るなんて悪質を通り越して意味が分からない」

 本紙では業者に問い合わせたが期限までに回答はなかった。男性は近く業者を相手取る訴訟を起こすため、現在弁護士に相談している。ただ、サイトの商品説明が必ずしも不正確とは言い切れず、詐欺として立証することが難しいため、裁判では弁護士の手腕が問われることになりそうだ。

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 乳ガンの手術から快復した妻に突然別居を切り出された夫。移ろう人の気持ちに、いつも同じ場所でまどろむ猫には永遠を感じるが―。飼い猫へ深い愛情を示す以外は無味乾燥な生活を送る女に、男は居心地の良さを覚えてゆく―。儚くも温かい表題作を含め、猫をテーマに男女の微妙な関係を鮮やかに描く六篇。

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