Kyoko Shimbun 2019.12.19 News

サンタユニオン、クリスマス自主休業を発表 これは嘘ニュースです

多くのサンタが働くクリスマスプレゼント発送倉庫
 全国のサンタクロースでつくる労働組合「全国サンタユニオン」は18日、働き方改革の一環として、24日夜から25日未明にかけて、組合員によるプレゼント配達を今年から自主休業すると発表した。

 同ユニオンはサンタクロースの労働環境の改善を目的として17年に結成。現在はプレゼントの配達業務などを担う全国のサンタクロース約800人が加入している。

 自主休業に踏み切った理由として、全国サンタユニオンのサンタクロース委員長(97)は「プレゼントの配達だけでなく、調達や在庫管理など多岐にわたる日々の業務負担は限界を超えている。働き方改革が進む昨今、我々サンタクロースもこれまでの働き方を見直す時期が来た」と説明する。

 サンタクロース委員長によると、日本のサンタクロースは毎年国内1500万件以上の配達を24日夜から25日未明の8時間ほどで完了させてきた。

 しかし近年、サンタクロースの高齢化が進行。業務効率を改善するため、ITを活用したネット通販会社の経営手法を導入したところ、在庫管理を担当するサンタクロースは、手元のタブレット端末が指示する通りに倉庫内のプレゼントの移動や梱包だけを繰り返す単純作業を1日16時間強いられるようになった。また、タブレット端末には作業完了までの制限時間も表示され、時間内に完了しなかった場合、トナカイの餌やりなど低賃金部署への左遷や降格、最もひどい場合は解雇のペナルティもあるという。

 「もう限界」と組合に所属するサンタクロース歴60年の男性(91)は苦しそうな表情で語る。「元々大変な仕事ではあったが、ITが導入されてからはまるでロボットのように扱われ、1秒の休憩も許されないほど時間管理が厳しくなった。倉庫の外で放牧されているトナカイのほうがよほど人間らしい生活を送っている」と話す。

 自主休業の発表に対し、フィンランドに本社を置くサンタクロース本部は「最大の報酬は子どもたちの笑顔。やりがいを感じられないサンタは去ってほしい」として容認しない方針。また、自主休業に踏み切った場合でも、組合に加入していないサンタクロースが代わりに配達にあたるため、業務に大きな支障は出ないとしている。

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<BOOK>アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した

 英国で“最底辺”の労働にジャーナリストが自ら就き、体験を赤裸々に報告。働いたのはアマゾンの倉庫、訪問介護、コールセンター、ウーバーのタクシー。私たちの何気ないワンクリックに翻弄される無力な労働者たちの現場から見えてきたのは、マルクスやオーウェルが予言した資本主義、管理社会の極地である。グローバル企業による「ギグ・エコノミー」という名の搾取、移民労働者への現地人の不満、持つ者と持たざる者との一層の格差拡大は、我が国でもすでに始まっている現実だ。

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