Kyoko Shimbun 2021.08.19 News

「ほのかな甘み かぼちゃワイン「エル」4月発売」についてお詫び

 2015年3月4日に配信した本紙記事「ほのかな甘み かぼちゃワイン「エル」4月発売」につきまして、かぼちゃを原料にしたワインが現実に存在するというご指摘が読者から寄せられました。編集部にて調査したところ、実際に販売されていることが分かりました。虚構をお届けする本紙におきまして、現実を報じてしまったことを、関係者と読者のみなさまに深くおわびいたします。

 今月14日、漫画『The♥かぼちゃワイン』の作者である三浦みつるさんが、「それにしても…まさか虚構新聞が真実になるなんて!」と、ツイッターで発言されたことがきっかけで、「かぼちゃワインの記事は誤報ではないか」との問い合わせが数件寄せられました。


 編集部で調査したところ、写真に写るワインは、「あまおうワイン」や「キウイワイン」などフルーツワインを製造・販売する立花ワイン株式会社(福岡県八女市)が、福岡県豊前市の特産品「三毛門かぼちゃ」を使って作ったワインであることが分かりました。

 また、このワインを扱う「道の駅豊前おこしかけ」に電話で問い合わせたところ、店頭で実際に販売されていることも合わせて分かりました(1本1600円)。


▲三毛門かぼちゃのワイン(左から2つ目。「道の駅豊前おこしかけ」サイトより)


 これらの調査結果から、記事の骨格になる「かぼちゃを原料としたワイン」が、実際に商品として販売されている事実を、編集部では重く受け止め、当該記事を「誤報である」と結論付けました。

 
 記事を書いた経緯について、社主UKは、「昔の話なのではっきり覚えていないが、ふと『かぼちゃワイン』のことを思い出して調べてみたら、『糖度が低いかぼちゃからワインは作れない』という記述を見つけた。だったら『かぼちゃワイン』は、現実に存在しない虚構の商品になるのではないか、と考えた」と説明しています。

 また、今回存在が明らかになった「三毛門かぼちゃのワイン」については、「執筆前の下調べでは、検索結果に出てこなかったと記憶している」と話す一方、「『かぼちゃでワインは無理』という思い込みを優先させて、取材がおろそかになっていたかもしれない」と答えました。

 なお、「道の駅豊前おこしかけ」の担当者によると、三毛門かぼちゃのワインは、本紙記事が掲載された2015年より前、少なくとも10年以上前から、既に販売されており、編集部では、事前の調査が十分でなかった可能性が高いとみています。

 「ワインは無理」と断定した情報源について、社主UKは、「取材源の秘匿」を理由に黙秘を貫きました。そこで、編集部で独自に調査を進めたところ、情報源が「ヤフー知恵袋」であることが判明。報道機関にあるまじき、ずさんな調査の実態も明らかになりました。


▲「かぼちゃワイン」に関する問答(ヤフー知恵袋より。画像を一部加工)

 編集部では今回の事態を重く受け止め、執筆を担当した社主UKに対し、8月19日から本社ビル地下3階地下牢拘留2日間(おやつ抜き)の処分を言い渡しました。なお十分なバックアップ態勢が整っているため、処分中も記事執筆及びサイト運営に影響はありません。

◇  ◇  ◇


 昨年の「2mのロングバトン」の誤報以後、編集部では、不安を煽る情報が飛び交いやすいコロナ禍において、慎重な情報発信を心掛けてきました。

 今回の誤報は、6年前の記事についてのものですが、読者から指摘があるまでの6年間、正しい情報を放置してきた責任を痛感しています。日ごろ本紙を信頼してくださっている読者のみなさま、そして、三浦みつるさんにおかれましては、この度の誤報でご迷惑おかけしたことを改めておわびします。「虚構世界の真実を報道する」という本紙の原点に立ち返り、読者のみなさまの安心と信頼を取り戻したいと考える所存です。(編集部)


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